2018-08-30

15mもの石仏が残る・ブドゥルワーガラ

アーユーボワン!
ネイチャー・エクスプローラーの橋本です。

本日は、スリランカでは珍しい大乗仏教の遺跡である・ブドゥルワーガラを紹介いたします。
なかなかアクセスしにくい場所にあるので、時間が限られたご旅行の場合はタクシー手配をしないと訪問は難しいですが、スリランカの仏教の歴史や遺跡に興味のある方には必見の遺跡です。
磨崖仏
ちなみに、スリランカでは古来から釈迦自身が生涯のうちで3度来島したと信じられているのはご存知でしょうか。1度目は成道後9か月頃キャンディ東部のマヒヤンガナに、2度目は成道後5年頃ジャフナ半島のナーガディーパに、最後は8年頃コロンボ近くのキャラニヤ、です。それぞれ、仏教における重要な場所として、たくさんの巡礼者が現在も訪れています。
現代スリランカは上座部仏教を信仰しており、残る遺跡もほとんどが上座部仏教のものです。ですが、かつては大乗仏教が主流であった時代もありました。このブドゥルワーガラの磨崖仏は9世紀に作成されたといわれていますが、スリランカでは珍しく大乗仏教の仏像が残ります。

3体の石仏

近寄り過ぎると全体が見えないほどの大きさ

中央には15mの観音菩薩が立ち、両脇にも3体ずつの像が立っています。向かって左側は真ん中に観音、左がスグナ・クマーラ、右がターラ菩薩です。向かって右側には中央に弥勒菩薩、左側に文殊菩薩、右に金剛杵という法具を持つ金剛薩埵(バジラパーニ)が立っています。
ブドゥルワーガラは、残る文献が少なく詳細は不明な点が多いです。いつ頃のものなのかも詳しくは分かっていませんが、インド仏教美術史にてターラ菩薩が現れ始めるのが9世紀以降なことから、9~10世紀ごろにできたものといわれています。

9世紀にできたとは思えないほど、現在も美しく残るブドゥルワーガラの石仏。
皆様も、ぜひ訪問されてみてください。

現地までの専用車手配、ならびにガイド手配等、ご希望に応じてアレンジ致します。


Text by HASHIMOTO
Photo by Saiyu Travel