2015-11-09

雛人形が置いてあるコロンボの場所

スリランカで1番の大都会であるコロンボに、ある人物の資料館があります。
その人物が日本と深く関わりがあった為、雛人形が飾られているのです。
他にも掛け軸や兜も飾られています。
その人物とはスリランカ(当時セイロン)の第2代大統領
ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナです。


ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナとは・・・

セイロンの最高裁判所判事の11人兄弟の長男であったジャヤワルダナ氏。
コロンボ法科大学を優秀な成績で卒業し、法律家になった後にセイロン国家機構の活動家になりました。その後1947年に初代蔵相として入閣。

今の日本があるのもジャヤワルダナ氏のおかげと言っても過言ではありません。

(C)Anuradha Dullewe Wijeyeratne

その理由は第二次大戦後の1951年サンフランシスコ講和会議でのことです。
敗戦国である日本が多くの国から莫大な賠償を請求されました。
被害を受けた国々が日本を非難していた中
同じく日本から被害を受けたセイロンの代表として参加していたジャヤワルダナ氏が
以下の仏陀の言葉を用いて、非難するのではなく、日本の自由と独立を訴える演説を行いました。

「Hatred ceases not by hatred but by love」
(人はただ愛によってのみ憎しみを超えられる。人は憎しみによって憎しみは超えられない。)
我々は権利を行使するつもりはありません。我々も憎しみを忘れようではありませんか。

この様に日本に対する賠償請求を放棄する旨の演説を行い
各国の賛同を得て、日本が国際社会に復帰できる道筋を作ったのです。

更には大の親日家のジャヤワルダナ氏は官僚、首相、大統領として度々訪日していました。
政界引退後も日本を訪れています。また日本の仏教関係者や皇太子ご夫妻(今の天皇皇后両陛下)をスリランカに招くなど精力的に交流を行っていました。

1966年、亡くなった後も
「右目はスリランカ人に、左目は日本人に」
との遺言により片目の角膜を日本に寄贈されるほど、日本を愛してやまない人でした。

そんな日本とスリランカの友好関係を築いた
ジャヤワルダナ氏の資料館を訪れてみてはいかがでしょうか。

J.R.Jayewardene Center
http://jrjc.lk


text by Ayana Alles