2016-05-27

キャンディアンダンスができるまで

スリランカ芸能キャンディアンダンス
スリランカ最大のお祭りエサラペラヘラで多くの観客を魅了するキャンディアンダンス。(エセラペラヘラ祭りについての記事はこちら。)
中央部キャンディ地域で昔から踊られていたダンス。現在はお祭りや結婚式で登場しますが、当時は見世物のためではありませんでした。
ドラムの音に合わせて踊る。
キャンディアンダンスの起源は悪霊払いでした
もともとは「コホンバ・カンカーリヤ」という宗教儀礼から始まりました。
健康、繁栄、病気よけを目的とする祭りの際に行われた儀式で、最大の目的は悪霊払いでした。
その由来となった伝説があります。
始まりはスリランカ建国の王ヴィジャヤがインドからやってきた事からです。
ヴィジャヤはこの地の鬼神である女夜叉クウェーニィと結ばれました。
それからクウェーニィの助けがあって王位に就いたヴィジャヤ。
しかしその後、王はクウェーニィを裏切ります。
怒った女夜叉クウェーニィは豹になって宮廷を襲います。2代目の王パンドゥワス・デーウァをも悪霊の崇りで病気にしました。
病気を治すためにインドの王、マラ王がスリランカに招かれて病気を治しました。
この一連の出来事を再現したものが「コホンバ・カンカーリヤ」でした。それは七日七夜にわたって行われていました。
しかし今では執行されることは少なくなり、宗教儀礼な舞ではなくショー的なダンスとして残されるようになりました。

衣装、装飾にまつわる伝説
コホンバ・カンカーリヤの名残が衣装、装飾に残されているという説があります。
それはメインの踊り手に見られます。
踊り手は12〜13mの紅白の布を腰にまとい、ウェスタットゥワと言われる飾りを頭にかぶっています。
胸には華やかなビーズの飾り、耳輪、腕にはブレスレット、音がなる足輪、さらに腰の布上に金属製のベルトを巻いています。
この姿が儀礼の崇拝対象であった太陽神を表している、または主宰者である王の姿をすると伝えられています。
とても煌びやかです。
次回はキャンディアンダンスの演目についてご紹介致します。

Text by Ayana Alles