アーユボワーン!!
ネイチャー・エクスプローラー・ランカの坂本です。
日本では夏もいよいよ本格的になってきた頃でしょうか。
お盆まであと一息、というところですね。
来年の今頃は
東京オリンピックか~と思うと胸が躍りますね!
スリランカ、オリンピックといえば
1964年の東京オリンピック、
10,000メートル走で「
ゼッケン67」を付けて走った
カルナナンダ選手。
1位から三周も遅れた中でも、ひたむきに走る彼の姿に、日本中が感動したそうです。
ただ1人で残るトラックを走ったカルナナンダ選手への拍手は1位の選手の拍手よりも
大きかったのだとか。。。
彼の
ひたむきな「オリンピック精神」、
走りぬくという一途な思いは
今日でも
スリランカ人の誇りとしてたたえられているそうです。
今回の東京オリンピックではどんなドラマが見られるのか、
まだ少し先ですが楽しみですね♪
前置きが長くなりました・・・が、気をとりなおして!
本日はタイトル通り、
日本とスリランカの仏教の違いについて。
意外と知らない?スリランカの仏教を簡単にではありますがご案内いたします。
スリランカと日本の仏教の違い
スリランカでは仏教、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教を信仰する人々がいます。
その人口比はヒンドゥー教徒が10%、イスラム教徒が8.5%、キリスト教徒が11.3%と
ほぼ同じくらいの比率に対して、
仏教徒は70%で全人口の約3分の2を占めます。
スリランカの仏教は上座部仏教です。仏陀だけを信仰の対象としています。
かつては小乗仏教と呼ばれていましたが、大乗仏教から蔑んだ呼称であることから使われることが少なくなりました。テーラワーダ仏教とも呼ばれます。
それに対して、日本の仏教は生きとし生けるものをすべて救おうという大乗仏教です。
ここでは前者の仏教についてさらに詳しく挙げていきます。
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ダンブッラ石窟寺院の壁画。座禅を組んで瞑想している仏陀の姿。 |
上座部仏教の特色
上座部仏教の特色は、出家をして仏陀の境地・涅槃にできるだけ近づこうとすることです。そのために、瞑想を主とする修行を行い、戒律を守ります。
自力で解脱することで、「思い通りにならないこと」=「苦」や欲から解き放たれ、
生まれ変わりの輪廻からも逃れられるとされています。
出家は7歳になれば誰でも出来ます。
10歳頃に髪の毛を剃り、十の戒を授かり、見習い僧『サーマネラ』になります。
ちなみに十の戒は次の通りです。
・不殺生(生き物を殺さない)
・不窃盗(与えられないものを取らない)
・不邪淫(淫らな行為をしない)
・不妄語(嘘をつかない)
・不飲酒(酔わせる酒を飲まない)
(ここまでの五つは一般の者も守ることとされています。)
・夜食を取らない
・花輪や香料で身を飾らない
・寝台ではなくて固い床で寝る
・歌舞音曲をしない
・金銭授受をしない
僧侶は妻帯、異性との関わりは許されていません。
制約が多い生活を送る僧侶ですが、その存在は徳高く、一般人からとても大切にされます。
バスや列車などの公共の乗り物では僧侶に席を譲ります。私も実際、何度も席が譲られる場面に遭遇しています。また、僧侶が乗っている車には道を譲ります。スリランカの仏教社会の中で僧侶はまさにエリート階級なのです。
一方、出家をしない世俗の者は、お寺や僧に
寄進して徳を積みます。
そうすることによってカルマ(業、行い)が正され、
来世で幸せになれると信じられています。そのため、貧しい家庭でも寺への寄進は無理をしてでも行います。
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アヌラーダプラのイスルムニヤ精舎の本堂内に横たわる涅槃仏。
この鮮やかな色は、東京の浅草寺の援助で色の塗り替えが行われたそうです。 |
どこからいつ伝わったのか
スリランカに仏教が伝わったのは、紀元前247年。
インドのアショーカ王の息子マヒンダが伝えたと言われています。
当時のスリランカの王デーヴァーナンピヤティッサ王は、マヒンダを迎えるためにアヌラーダプラのマハーヴィハーラ(大寺)を建立しました。
以降、長い間アヌラーダプラは仏教の中心地となりました。
このデーヴァーナンピヤティッサ王とマヒンダが出会った場所が
アヌラーダプラから車で片道30分ほどにある、「ミヒンタレー」。
次回はその地に伝わる伝説とともにミヒンタレーについてご紹介させていただきます。
↓アヌラーダプラに関する過去のブログはこちらから↓
Text by Ayana Alles & Reina Sakamoto