2020-06-19

スリランカの自然保護区サファリ③ミリッサとトリンコマリー


スリランカのサファリエリア紹介の第3弾です。最後となる今回では、陸上ではなく海のツアーをご紹介していきます。

 スリランカはホエールウォッチングサイトとしても世界的に有名です。国内にいくつかのウォッチングサイトがありますが、今回はその中でも主要なミリッサとトリンコマリーの2か所をご紹介します。


1回 前々回の記事はこちら
1.       世界遺産の森:シンハラジャ森林保護区
2.       ワールズ・エンドを訪ねる:ホートン・プレインズ国立公園
3.       レオパードの聖地:ヤーラ国立公園


2回 ★前々回の記事はこちら 
4.       スリランカ最大の国立公園:ウィルパットゥ国立公園
5.       スリランカ初のラムサール条約登録湿地:ブンダラ国立公園
6.       ゾウの野生復帰を目指す:ウダ・ワラウェ国立公園
7.       「エレファント・ギャザリング」の地:ミンネリヤ国立公園

3
8.       ホエールウォッチングサイト:ミリッサとトリンコマリー


■スリランカでのホエールウォッチング


クジラは回遊するため、季節によって主なサイトが異なります。今回紹介する2つのサイトではそれぞれ西側のミリッサでは114月・東側のトリンコマリーでは510月が観察のシーズンとなります。世界最大の生物であるシロナガスクジラを始め、マッコウクジラ、ハシナガイルカ、バンドウイルカ、ゴンドウイルカなど様々な鯨類を観察することができます。



■ミリッサ

 ミリッサはシロナガスクジラとの遭遇率が非常に高いエリアとして人気があります。西海岸に位置するミリッサは、スリランカの玄関口:コロンボから3時間弱、世界遺産の街:ゴールから40分程度とアクセスが良く、多くの観光客がクジラを求めて訪れるほかサーフィンビーチとしても有名で、リゾート地として賑わっています。

 シーズンは11月~4月頃、中でも1月以降がベストシーズンとなり、クジラとの遭遇率は約90%と言われます。ミリッサは世界有数のシロナガスクジラのウォッチングポイントとして知られており、運が良ければ、1回のクルーズで何頭ものシロナガスクジラを見ることができます。もともとこの海域には固定して暮らすシロナガスクジラの群れがいますが、そのほかにも回遊してくるシロナガスクジラやマッコウクジラ、稀にシャチも見ることができます。


視点の高い混載船でのクルーズ

テールアップ


【シロナガスクジラ – Blue Whale
シロナガスクジラ(白長須鯨、Balaenoptera musculus)は、現存する最大の動物種であるだけでなく、かつて地球上に存在した確認されている限りの恐竜や動物を含めても、あらゆる既知の動物の中で最大の種です。ミリッサでみられるものは小型のピグミーシロナガスクジラと呼ばれるものですが、それでも20mを超える姿は圧巻です。一度浮上するとまた潜水し、次に浮上してくるまでは15分ほど。ブロウイング(潮吹き)やテールアップ(潜水時に尾ひれを高く上げる動作)が見られた際には歓声が上がります。




西遊旅行スタッフの撮影映像


★関連記事はこちら!
ミリッサのホエールウォッチング、行って来ました!




■トリンコマリー

 スリランカ北東部に位置するトリンコマリーは東部海岸最大の都市。岬によって形成された天然の良港があり、その港を目的として植民地時代から諸外国に支配を受けてきた街でもあります。1983年から2009年まで続いた内戦時には一般の出入りは厳しく制限されていましたが、内戦終結後は一気に観光地として開発が進みました。

トリンコマリーはホエールウォッチングのほか、サンゴ礁でのダイビングやシュノーケリングのスポットとしても人気のあるエリア。また、スリランカの人口の約10%を占めるヒンドゥー教徒の聖地:コネスヴァラム寺院を始め、「ラーマーヤナ」に登場するランカ島の魔王ラーヴァナが掘ったとされるカンニヤ温泉、2000年以上の歴史を持つ仏教遺跡:ヴェルガム・ラジャ・マハー・ヴィハーラなどそのほかの見どころも揃っており、東部の観光地として国内外から注目を集めています。

トリンコマリーのシーズンは4月~10月頃ですが、3月~4月頃は回遊してくるマッコウクジラの群れを見ることができます。シーズンの中でも特に7月~8月はクジラやイルカを高確率で見ることのできるベストシーズンです。また、季節を問わずシロナガスクジラがやってくる他、一年を通じてニタリクジラも観察することができます。

フルークダウン


ミリッサと比べるとクジラの数が少ないとも言われますが、トリンコマリーはスリランカで最もビーチが美しいエリアと評されており、ホエールウォッチングと併せてダイビングやシュノーケリングを楽しめるのが大きな魅力です。沖合に位置するピジョン島では100種類以上の珊瑚礁や、300種類以上の熱帯魚が確認されており、美しい海でのダイビングやシュノーケリングを体験することができます。

Rainbow butterfly fish(ミスジチョウチョウウオ)

Text by Okada